病院の廊下照明:利用シーンごとの確認事項
この解説の数値は区画ごとに検証する目安であり、医療全般の仕様ではありません。日本の施設では、電気設備設計、建物の安全計画、病院の運用手順と器具選定を調整します。患者をストレッチャーで移動させるときにまぶしくないか、進む方向が分かるかを確認してください。面会、患者搬送、夜勤のそれぞれに必要な照明を区別することが出発点です。

参照資料と設計条件
次の表は元記事の参考提案であり、日本の法定最低値を列挙したものではありません。設計図書には、その施設に適用する文書と版を特定してください。元資料には中国、英国、北米、欧州の資料と、スペインIDAEの病院照明ガイドが含まれます。出典を区別するために名称を残していますが、日本で自動的に義務となるものではありません。効率や制御も、国内の設計条件と病院の運用要件で評価します。
- GB 50034-2013(中国)
- JGJ 16-2008(中国)
- CIBSE SLL照明コード(英国)
- IES照明ハンドブック(北米)
- EN 12464-1:2021(EU)
照度:ルクス(lx)で表す参考値
| エリア | 参考照度(lx) | 元資料の提案値(lx) | 注記 |
| 一般病棟・事務室の廊下 | 100lx | 150-200lx | 通行と見やすさの参考値です。設計で検証してください。 |
| 救急・ICU・処置区域の主要廊下 | 150lx | 200-300lx | 人・機器・標識を見るための参考値であり、医療性能を証明するものではありません。 |
| 通常運用時の階段・退出経路 | 75lx | 100-150lx | 非常用照明の個別要件の代わりにはなりません。 |
| 夜間照明(運用モード) | 10-30lx | 50lx | 夜間巡回の参考値です。視認性と患者への刺激を確認します。 |
色温度(CCT)と演色評価数(CRI)
光色は色温度で確認します。
- 一般の廊下: 3500K–4500K (元資料では中間的な白色の見え方として説明)
- 救急・ICU区域: 4000K–5000Kは、元資料がこの区域向けに挙げる提案です
- 夜間モード: 2700K–3000Kは、病院側で評価する夜間シーンの提案です
通行のための条件と診療に必要な条件を分け、後者は担当チームに確認します。CRI≥80を、傷、血液、皮膚の色を医学的に正しく識別できる保証にはしません。
均斉度(U0=最小照度/平均照度)
明暗差を確認する際、元資料の参考値として U0≥0.5を確認できますが、それで設計が完成するわけではありません。壁面にはさらに ≥ 50 lxという照度が挙げられており、実際の標識の条件と照合する必要があります。
グレア対策
候補となるのは、 グレアを抑える器具です。拡散板付きパネル、ルーバー付き器具、用途に合うダウンライトなどについて、目標値の UGR ≤ 19 を実際の配置で検証します。製品の呼び名だけで適合とは判断しません。
非常時の照明要件
- 日本では建築法令上の非常用照明と、消防法令上の誘導灯を区別します。病院の用途、居室、避難経路に応じて設置範囲と性能を確認し、バッテリー付き一般照明で代替できるとは判断しないでください。
- 消火設備、配電盤、避難標識の位置を図面上で確認し、必要な視認性を担当設計者と決めます。海外の資料にある数値を、すべての曲がり角や設備の国内必須値に置き換えないでください。
- 病棟と診療区域では、避難のための照明と診療を継続するための電源・照明を分けて検討します。適用法令、施設の機能、患者搬送計画に応じ、点灯時間と予備電源を設計者・病院側と確認してください。スペインの病院向け数値を日本の一律要件として使うことはできません。
電気設備と施工の安全
- 元資料が提案する取付高さ:≥ 2.5 m (参考範囲:床から2.6–2.9 m)
- 元資料は接地抵抗≤4Ω、絶縁抵抗≥1MΩを挙げています。日本の病院に一律で適用する限界値ではありません。対象の電気設備設計と検査条件から、適用値を確認してください。
- V0は筐体材料の分類を指し、照明器具や配線全体の安全をそれだけで証明するものではありません。完成品として必要な資料を確認してください。
- グループ制御: 例では一グループにつき3~5台の器具とし、システムが対応する場合に調光や夜間シーンを使用します
- 安全用電源、バッテリー、他システムとの連携は、電気設備設計と病院の運用手順に従って定めます。
- 実際の形状で照度と均斉度を確認してください。元資料の2.0-2.5M間隔は目安であり、暗い箇所がなくなる保証ではありません。
- UGR≤19という目標は、器具配置と想定観測者の条件で確認します。製品の販売ラベルだけでは保証できません。
- Ra≥80は一般的な演色性を示します。それだけで医学的な観察や処置に適しているとは保証できません。
- フリッカーを確認する 際は分光特性も確認し、一般的な販売表示から医療上の効果を推測しないでください。
- 適切な 非常用照明を計画し、防火・避難上の要件を満たします。
- 採用を検討するのは、 区域別の調光 です。昼間と夜間の運用場面を分けます。
- 電気的安全性 は、器具と設計に適した材料、接地、保護装置で確保します。
- 表面と継ぎ目は病院の清掃手順に対応するものを選びます。抗菌性能は、その製品固有の根拠がある場合にのみ表示してください。
スマート制御と省エネルギー
(1)スマート照明システム
- センサーによる照明: 人感センサーと昼光センサーは不要な点灯の削減に役立ちます。設定時は、予定する通行・診療の条件を維持してください。
- 時間帯別調光の例: 元資料は昼間に 150–200 lx 、夜間モードに 30–50 lx を提案しています。病院の各区域で必要な明るさを検証してください。
- DALI または 0–10V 調光プロトコル: ドライバーと制御機器が互換性を持つ場合に調光へ利用できます。
(2)省エネルギー対策
- ≥50,000時間を指定する場合は、宣言の条件と、ドライバーを含む器具全体の想定挙動を確認してください。定格寿命が長くても保守は必要です。
- 発光効率: 元資料が効率の参考として挙げるのは、 ≥ 100 lm/W の器具です。消費電力量は配光、電力、使用時間にも左右されます。
- 色温度や「ブルーライトが少ない」という一般的な表示だけでは、医療上・概日リズム上の効果は証明できません。裏付けのない効果を約束せず、シーン、時間帯、明るさを病院の必要に合わせて設定します。
評価対象となる 廊下照明 では、制御シーン、標識の読みやすさ、反射、明るさの切替を確認します。ストレッチャーで仰向けに移動する人を含め、実際の利用位置から検証してください。
器具選定は一律の電力・光色の表ではなく、病院の利用場面と合意した責任分担に結び付けます。受入時には区域ごとの非常時の機能とサービス継続を確認してください。保守後に元の設定へ戻せるよう、承認された明るさと制御設定を保存します。
病院の廊下向けLED器具
(1)器具の種類
- 埋込型LEDパネル (提案範囲は3000K–4500K):一般の廊下では拡散板、配光、グレアを確認します
- ライン照明は連続した光のラインを作れますが、均斉度は実際の配置で確認します
- 低グレアのダウンライト・ルーバー付き器具は、配光と取付条件に応じた局所的な補助照明に使います

オフィス用600×600・36W-60Wの薄形直下型LEDパネル

4ft/8ftモダン調光LEDリニア照明

商業用低グレアLEDダウンライトUGR<19
(2)補助照明
- ウォールウォッシャーは、方向と明るさを調整して壁面や標識を見やすくします
- 低位置の足元灯・誘導用照明は、その経路に適した夜間シーンの一部として使います
- LED発光標識は、避難上の要件に従って見やすさと機能を確認します。
ストレッチャー上と歩行位置の両方から評価する
同じ廊下を歩く人の位置と、搬送される人の位置から確認します。歩行時には視野に入らない光源でも、天井を向くと直接見えることがあります。この違いを器具調整と反射の確認に反映させ、標識や区域間の明るさの変化も調べてください。
夜間シーンを病院の業務と調整する
時間帯を設定する前に、夜間も続く業務と各シーンの操作権限を確認します。保守作業後にどう設定を戻すかも、病院の担当者と合意できます。通常の利用時間外だから無人と決め付けず、業務継続と安全機能の範囲内で省エネルギーを検討してください。
技術確認の出発点として、国土交通省の非常用照明に関する設置範囲の資料を確認します。平成30年度版(2018年)北海道開発局「電気通信工事仕様書」は器具区分の参考として挙げた過去の資料であり、現在の病院向け全国基準ではありません。対象工事の現行要件は設計者と別途確認します。以下はHOYUWO LED製品の技術資料に関する問い合わせ窓口であり、この公的仕様書のダウンロード先ではありません。 技術資料について問い合わせる
