LEDの力率:PF・効率・消費電力の違い
詳細は HOYUWO LEDにもお問い合わせいただけます。設計時には電流、高調波、動作範囲とあわせてPFを確認します。本稿では各物理量を区別し、測定例を使って計算とその条件を説明します。同じ消費電力でもPFが異なる照明器具を比較する際に役立ちます。PFは、電力が光へ変わる割合やドライバーの変換効率ではありません。交流負荷の有効電力と、必要とする皮相電力の関係を表します。

画像の説明と記載内容
- LEDランプ用測定器。
- 写真は測定器とその表示値の例です。数値、記号、測定器のブランドは、画像にある情報として扱います。
LEDドライバーの変換効率と力率はどう違うか
設備を評価するときは、次の比率を区別します。力率の式はPF = P入力/S入力 です。一方、効率は負荷へ届く電力の割合を表します。計算には有効電力を用い、η = P出力/P入力です。
効率とPFは、負荷、電圧、温度が分かる条件で提示してもらいます。どちらかの値が良好でも、もう一方が同じように良いとは限りません。ドライバーによって両者の組み合わせは異なります。
LED照明の力率PFとは
ドライバーによって電流波形がひずむ場合は、基本波の位相差だけを総合的な力率として扱わないでください。PF = P/Sは有効電力と皮相電力の比率であり、想定した正弦波条件下でのみcos φと一致します。測定値がどの条件を表すかを確認します。
同じ電圧で同じ有効電力を供給する場合、PFが低下すると必要な実効電流が増えます。力率1の理想抵抗を概念上の基準とし、電子回路や誘導性回路では異なる動作が生じることを考慮してください。
PFをドライバー内部の変換効率の指標にしてはいけません。また、高調波がある場合に、その影響をすべて正弦波の無効電力へ帰することもできません。同じ有効電力と電圧で力率が下がると必要な実効電流が増え、損失や配線・機器への要求が大きくなる場合があります。
変換効率は、出力電力と入力有効電力を比較して求めます。PF = 0.95を効率95%と読み替えたり、交流側の力率を直流出力の評価にそのまま当てはめたりしないでください。異なる物理量と対象を扱っています。
LED照明の力率を計算するには
単相では、まずS = V実効値 × I実効値 によって皮相電力をVAで求めます。次に、Wで測定した有効電力をその値で割るとPFが得られます。有効電力と無効電力を単純に加算して皮相電力を求めないでください。
皮相電力は、同じ入力点で測定した実効電圧と実効電流から計算します。有効電力には適切な測定器の表示値を使い、他の量からの推測で置き換えないでください。
まず効率を別に計算します。効率=出力電力/入力有効電力×100%=30V×0.33A/11.5W×100%=86.1%です。
力率には有効電力/皮相電力を使い、11.5 W/12.1 VA ≈ 0.95となります。
ドライバー出力は30V×0.33A=9.9Wで、この動作時に測定した入力有効電力は11.5Wです。皮相電力は220 V×0.055 A=12.1 VAから求めます。
このように、出力、有効電力、皮相電力を分けて測定結果を読みます。入力で220V、55mA、11.5Wを測った例であり、10W電球のドライバーが30V・330mAを出力する条件です。日本の設置場所に同じ入力電圧があると仮定せず、実際の電源条件で確認してください。

画像の技術的な読み方
R/Zや電力三角形を使う前に、回路の前提条件を確認します。総合的なPFにはP/(実効電圧×実効電流)を使い、ひずみ電流がある場合はcosφと異なることがあります。画像の関係を、非線形ドライバーすべてに適用できる式としないでください。図が示す正弦波の場合には、PF = cosφ = P/Sが成立します。
LED照明の力率にはどの基準が適用されるか
製品資料と、対象市場・製品に適用される現行要件を確認します。「5 Wを超えるとPFは0.70超が必要」という記述を、すべての機器に拡張してはいけません。適用される規定の範囲と、案件の条件によって判断基準が決まります。
複数台の設備を設計する場合は、システム全体の電流、損失、高調波を考慮します。個々の負荷が小さくても、合計した影響はなくなりません。台数、総電力、電流波形によって動作は変わります。
定格ワット数からPFを推測しないでください。似た電力の電源でも、回路や動作点によって異なるため、測定資料を比較します。
以下の範囲は、過去の参考値として読んでください。補助装置とその条件で値は変わるため、ある技術に一律に課される義務として扱わないようにします。
(1) 過去の参考例では、誘導形の点灯装置を使う高圧ナトリウム灯や蛍光灯のPFを、およそ0.51~0.65としています。
(2) 0.75~0.9は、コンデンサーで補償した誘導性機器のPFに関する過去の例です。
(3) メタルハライドランプで約0.85、高圧水銀灯で約0.7という、異なる過去の例を区別してください。
(4) 電子式安定器を使う蛍光灯や電球形蛍光灯では、元資料がPFを約0.85~0.95としています。すべての型番へ一般化しないでください。
(5) 型番ごとの測定値と条件を必ず確認します。記事には、50W超の屋外用で0.95超、さらに0.97という例がありました。また30W超の製品として、40Wで寸法が 600x600mm のパネルライトを0.9の例として挙げています。一方、 LEDダウンライト では、15W未満の例に約0.6という値が付されています。これらは過去の例として残し、消費電力からPFを決める規則とはしません。
照明器具の選定で力率をどう読むか
PFは、他の電気特性と設置要件に照らして評価します。同じ有効電力なら高いPFが電流を抑える場合がありますが、変換効率、器具全体の品質、電力系統の安定性を保証するものとは考えません。
入力電圧が変わるとLED照明の力率も変わるか
メーカーの特性曲線で、負荷や電圧による変化を確認します。PFCは動作の改善を図る機能ですが、全範囲で一定の値を保証するものではありません。普遍的な放物線則や、一律20%低下するという仮定は採用しません。
予定する動作点のデータを求める
PFの数値だけでは、どの条件で得られたかが分かりません。電圧、負荷、試験条件を求め、資料に変動特性が示されているかを確認します。ドライバー同士の比較には、実際に照明器具を使う動作条件に対応したデータを使用してください。
良好なPFだけで他の違いを見落とさない
比較表には、変換効率、電流、高調波ひずみ、LEDモジュールとの適合も含めます。高いPFは電気的評価の一部を満たしますが、光束や色の特性は示しません。選定仕様書では、これらを別の項目として管理します。
型番ごとの測定結果と計算例を使い、効率、省エネ効果、電気的動作を区別します。多数の照明器具を使う設備では、設計者が高調波、保護装置、総負荷を確認します。PFが高いだけでは得られるルーメン数は分からないため、有効電力、ドライバー効率、試験条件とあわせて評価してください。
